「借入可能額」と「返済可能額」の違いとは?|住まいのお金FP相談室

「住宅ローン、いくら借りられるの?」
というご相談は、私たち『住まいのお金FP相談室』でも非常に多いご質問のひとつです。
しかし、本当に大切なのは
「いくら借りられるか?」
ではなく
「いくら返せるか」。
今回は、住宅ローンを考えるうえで非常に重要な「借入可能額」と「返済可能額」の違いについて、分かりやすく解説します。
借り入れ可能額とは?金融機関が貸してくれる「上限額」
金融機関が審査のうえで「この人ならこれくらい貸せますよ」と提示する金額が 借入可能額 です。
主に以下の要素で判断されます
・年収(多くは年収の30~35%程度が目安)
・勤務先や勤続年数
・他の借入(車のローンや教育ローンなど)
・金利(審査金利を使用する場合もあり)
借入可能額のメリット
1:住宅購入の「上限ライン」が分かる
金融機関が提示する借入可能額を知ることで、「これ以上は借りられない」という明確な基準ができます。住宅探しの方向性が絞りやすくなります。
2:資金計画が立てやすくなる
「自己資金+借入可能額=総予算」
が見えるため、物件価格・諸費用・家具などを含めた総合的な資金計画がしやすくなります。
3:住宅購入のタイミングを判断しやすい
今の年収や勤務状況でどれくらい借りられるかを把握することで、「今買うべきか、もう少し準備期間を取るべきか」の判断材料になります。
借入可能額のデメリット
1:“借りられる”と“返せる”は違う
借入可能額はあくまで「銀行側がOKする上限」であり、あなたの家計が返済に耐えられるかどうかとは別問題。無理な返済計画につながりかねません。
2:金利上昇リスクを見落としがち
特に変動金利を選んだ場合、将来的に金利が上がると返済額が増えます。
借入可能額ギリギリまで借りると、そのリスクに耐えられなくなる可能性も。
3:将来のライフイベントが反映されていない
借入可能額は主に「今の年収と借入状況」から算出されます。
教育費のピークや収入の変動、老後などのライフプランは考慮されていないため、現実とズレることがあります。
借入可能額は「参考程度」にとどめましょう
借入可能額を知ることは大切ですが、それを鵜呑みにして予算上限いっぱいの住宅を購入すると、後で家計が厳しくなるリスクがあります。
大切なのは、借入可能額ではなく、「無理なく返し続けられる返済可能額」を基準にすること。これは金融機関では教えてくれませんが、ファイナンシャルプランナー(FP)と一緒に考えることで見えてきます。
返済可能額とは?あなたの家計が「無理なく返せる金額」
返済可能額は、文字通り「自分が毎月無理なく返済していける金額」です。
たとえ金融機関が5,000万円貸してくれると言っても、家計の支出や将来のライフイベント(教育費、老後資金など)を考慮せずに借りてしまうと、後々苦しくなってしまう可能性があります。
返済可能額を考える際のチェックポイント
・月々の生活費や教育費、保険料などを差し引いて余裕があるか?
・子どもが進学する時期に返済額が家計を圧迫しないか?
・老後資金を確保しながら返済できるか?
・金利が上がったときに対応できる余裕があるか?
返済可能額のメリット
1:無理のない家計が維持できる
自分の家計に合わせて設定するため、ローン返済後も生活費や教育費、老後資金をしっかり確保できます。「家を買って生活が苦しくなった・・・」という事態を防げます。
2:将来のライフイベントも見越した計画が立てられる
教育費、車の買い替え、老後資金なども含めたシミュレーションができるため、長期的に安心です。
3:金利上昇や収入変動への備えになる
少し余裕を持った返済計画にしておけば、万が一の収入減や金利上昇にも柔軟に対応できます。
4:精神的な安心感がある
「返済で家計が圧迫されていない」という状況は、家族の安心や精神的な余裕にもつながります。
返済可能額のデメリット
1:借入金額を抑えるため、希望物件の選択肢が減る場合がある
自分の返済可能額を基準にすると、借入額が抑えられ、希望するエリアや間取りの物件に届かないこともあります。
2:周囲と比較して「もっといい家が買えるのでは?」と感じやすい
借入可能額と比べて「控えめ」な予算設定になるため、人によっては物足りなさや見劣り感を感じることがあります。
3:ライフプラン設計には手間と知識が必要
教育費・老後資金・保険・生活費などをバランスよく見直す必要があるため、自力では難しいことも。FPなど専門家のサポートがあると安心です。
借入可能額より「返済可能額」を優先すべき理由
住宅ローンは数十年にわたって返済を続ける長期の契約です。
たとえ今の家計に余裕があっても、将来の支出増を考慮しないと、
「教育費と住宅ローンが重なって苦しい…」
「老後の貯蓄ができない…」
といった事態になりかねません。
つまり、金融機関がOKを出す借入可能額=安心して借りてよい金額ではないのです。
まとめ:返済可能額は「人生の安心予算」
比較項目 |
借入可能額 |
返済可能額 |
誰が決める?
|
金融機関 |
本人(+FPなどのサポート) |
判断基準
|
年収、勤続年数、借入状況など |
家計、教育費、老後資金、将来の支出 |
リスク管理
|
△ 金利上昇・生活変化に弱い |
◎ 将来設計まで見据えられる |
実行のしやすさ
|
◎ 審査結果を見るだけ |
△ ライフプランの作成が必要 |
FPと一緒に「返済可能額」を見極めましょう
住宅ローンは「借りられる額」ではなく「返せる額」で考えよう
家づくりの第一歩は、「将来も安心して暮らせる返済計画」から始めましょう。
「借りられる金額」と「返せる金額」はまったく違います。
大切なのは、家を買ったあとも豊かに暮らし続けられること。
私たち『住まいのお金FP相談室』では、松戸・柏・流山・つくばを中心に、住宅購入を考えるご家庭のために、ライフプランシミュレーションを通じて
「あなたにとって無理のない返済額=返済可能額」
を一緒に考えるお手伝いをしています。
将来の教育費や老後資金も含めて総合的に検討することで、「家を買って良かった」と思える選択ができます。

「住まいのお金FP相談室」では、松戸市・柏市・流山市・つくば市を中心に、マイホーム購入前の お金の不安や迷いを、中立な立場でサポートしています。
住宅会社や不動産会社ではない、第三者の立場のファイナンシャルプランナーだからこそ、あなたとご家族にとって最適な選択を一緒に考え、アドバイスする事が可能です。


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【CFP 真崎 喜雄】
幼少の頃2DKの公団住宅に住んでいたため、マイホームへ強い憧れを持っていました。しかし、初めての住宅購入では失敗・・・その経験から住宅購入者が失敗を未然に防ぎ、満足のいく家づくりのお手伝いをしています。
メディア掲載実績
全国のFPが会員登録している日本FP協会様より、実務家FPとして取材を受けました。


「シンヴィング」様より住宅購入相談FPとして取材を受けました。(クリックで拡大します)
工務店さん向けに「工務店が知っておくべき資金計画」の研修講師を行いました。


ニューファミリー新聞社様にて、著書「生命保険見直し成功マニュアル」が紹介されました。

