住まいのお金FP相談室の真崎です。
住宅販売の現場ではしばしば
「ここ20年ぐらいは低金利ですから、変動金利で大丈夫ですよ!」
と、過去の金利のグラフを見せられて説明を受ける事があります。
でも、過去が低金利であったからといって、将来も低金利である保証は何もありません。
ではなぜ、どこの住宅会社を見学しても、変動金利を勧められることが多いのでしょうか?
変動金利を強く勧められる理由は、毎月の住宅ローン返済額を低く見せ、お客様の購入ハードルを下げるためであることが多いのです。
しかし最近、ついに日銀が政策を転換する?と思えるような動きがありました。
長期金利の変動許容幅を従来の0.25%から0.5%に拡大すると発表したのです。
日銀は長期金利の上限を0.25%に定め、0.25%を超えそうになると市場取引で国債を無制限に買い入れて金利を抑え込んできました。
それが長期金利の上限を0.5%まで引き上げる、と突然発表したのです。
これにより1月以降、住宅ローンの固定金利をアップする銀行もすでに出ています。
日銀自身は
「出口の一歩では全くない」
と、いままでの金融政策の路線転換を否定しています。
でも出口への一歩ではないなら、
「出口へ半歩進めたい」
と考えているのかも知れません。
そして、住宅販売の現場では
「あれは固定金利のことですから、変動金利を選択しましょう」
と、更に変動金利での提案を受けるかも知れません。
しかし、住宅ローンの返済期間は数十年の長期に渡ります。
その間、低金利政策が継続されるかは誰にも分かりません。
もう何年もマイナス金利政策が継続されているので感覚がマヒしてしまいますが、そもそもマイナス金利であることは不自然な状態です。
その不自然な状態を正常な状態に戻そうとするのは、ごく自然な流れです。
住宅購入時に家計がギリギリの状態で、余裕の無い方ほど変動金利を選ぶ傾向にあります。
家計に余裕の無い状況で、住宅ローンの毎月返済額が5千円、1万円とアップすれば生活が立ち行かなくなりかねません。
年末年始は、マイホームの計画をゆっくり検討するには適した時期です。
変動金利を希望する方は、住宅ローンの返済額が毎月5千円、1万円とアップしても大丈夫か?をよく検討しましょう。
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