店舗兼住宅のメリット・デメリットとは?|社長の住宅ローン相談所
会社を経営するにあたり、飲食店や喫茶店、美容院やクリニックなど、お客様が来店する業種であれば、営業するための店舗を準備する必要があります。
しかし、他人へ賃料を支払って店舗を借りるよりも、店舗兼住宅を建築した方が資金繰りの改善に繋がる可能性があります。
店舗兼住宅とは、1つの建物の中に「店舗部分」と「居住部分」の両方が存在し、一般的には、1階部分が店舗で2階以上が自宅の場合が多いです。
店舗などの事業用のスペースと、自分が住むための居住用のスペースを併用することで得られるメリットは以下の通りです。
■店舗兼住宅を建築する場合のメリット
移動時間を節約できる
店舗兼住宅は、自宅と店舗(会社)が同じ場所にありますので、通勤のための移動時間がかからず、電車代やガソリン代などの通勤費用を節約することが可能です。
立地のエリアによっては、通勤のために使用していた車が不要になり、車の購入費用や維持費も不要となる場合もあります。
また、夜遅い時間帯まで営業する業種では、店舗と自宅の間に距離があると、帰宅時間も遅くなってしまいます。
その点、店舗兼住宅は通勤や帰宅の時間がかかりませんので、時間を有効活用することにも繋がります。
仕事が終わればすぐにプライベートな時間にできるため、子育てや介護などがしやすいのも大きなメリットです。
営業上の経費を計上して節税になる
店舗兼住宅では、店舗や設備にかかる費用、固定資産税などの税金、火災保険料など、さまざまな支出を経費に計上しやすくなるのも大きなメリットです。
店舗兼住宅では、主に以下のような支出を営業上の必要経費として計上できます。
・店舗部分の減価償却費
・店舗部分のローンの利息
・店舗部分の固定資産税
・店舗部分の火災保険料や地震保険料
・営業上かかった水道光熱費
店舗で生じる支出を経費として計上できれば、利益を圧縮して税金を軽減することが可能です。
事業用のローンより低い金利で店舗を建築できる可能性がある
通常であれば、店舗の建築は事業用のローンを借りるのが一般的であり、住宅ローンを利用することはできません。
しかし店舗兼住宅は、一定の要件を満たすことで事業用のローンより低い金利である住宅ローンを活用して、住居部分のみならず店舗部分も建築できる可能性があります。
住宅ローンであれば、返済期間を35年など長期で設定することができますので、毎月の返済額を抑えることで会社の資金繰りも楽になります。
金融機関によって審査要件が異なりますが、一般的には以下の条件を設定していることが多いようです。
・居住用部分の床面積が、建物全体の延べ床面積の1/2以上あること
・店舗部分は自己の事業での使用であること
金融機関によってローンの審査基準も変わってくるため、事前にしっかり確認しておきましょう。
■店舗兼住宅を建築する場合のデメリット
メリットの多い店舗兼住宅の建築ですが、デメリットも存在しますので、計画を進める上では慎重な検討が必要です。
専用住宅と比べて建築費が割高になる傾向にある
経営する会社の業種にもよりますが、お客さんが来店する業種の場合には、それに合わせた内装にする必要があります。
また、来客用の駐車場を複数台分用意する必要があれば、その分の工事費用もかかり、専用住宅よりも建築費が高くなる傾向にあります。
専用住宅と比べて売却がしづらい
将来的に建物を売却する必要が生じた場合、店舗兼住宅は購入希望者が限られるため、売却に時間がかかる可能性があります。
営業をやめる場合に、店舗部分を居住用へリフォームすることや、ローン完済後であれば、店舗のまま賃貸として家賃収入を得ることも、建築計画に入れておきましょう。
プライバシーの確保に配慮が必要
店舗兼住宅は、自宅と店舗が1つの建物であるため、家族のプライバシーに配慮した間取りプランの作成が大変重要です。
店舗部分には、その日の売上金や販売用の商品が置かれているため、より強固なセキュリティ対策を講じる必要があります。
たとえば、防犯カメラを設置することも考慮しなければならず、その際にも家族のプライバシーの確保に配慮をする必要があります。
店舗兼住宅の建築にはメリットだけではなく、デメリットもありますので、事前に慎重な計画が必要です。
店舗兼住宅の資金計画などは『住まいのお金FP相談室』へご相談ください。
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