モデルハウスは、徹底的に自社のイメージをアップさせるように作られた、いわば“魅せるために見せる空間”です。

魅せるために見せる空間ですから、賃貸住宅に比べればおしゃれでセンス良くデザインされており、一目で気に入る可能性もあります。

そこへ、

「〇日までに申し込むと〇円お得なキャンペーンをやっています！」

と言われると、

「これはもう運命の出会いではないか？」

と思い、焦って契約してしまう方もいるようです。

ただ、住宅会社１社の見学で建築先を決めてしまいますと、他社とまったく比較検討していないので、その住宅会社の何が良いのか？も実はわかっていない状態です。

見学したモデルハウスを気に入ったのですから、デザイン力がある住宅会社だとは思いますが、そのモデルハウスを設計した設計士があなたのマイホームを設計してくれるとも限りません。

また、魅せる仕様ですので、標準仕様よりもグレードの高い住宅設備や、一般的な住宅よりも広い建築面積など、お客様の夢を膨らませるための演出がなされています。

ですから、モデルハウスを見学する際には、どこまでが標準仕様で、どこからがオプション仕様なのかをよく確認する必要があります。

夢のマイホームを希望する方たちにとって、住宅展示場のモデルハウスが果たした役割は小さくは無いでしょう。

住宅展示場に行けば、１箇所で色々な住宅会社の建築技術やデザインを見比べることができ、かつてはマイホームの検討をする際に１度は訪れる場所でした。

しかし時代は変わり、お客様も住宅ローンは「借りられる金額」より「返せる金額」を意識するようになり、現実的な広さや仕様ではないモデルハウスを見学する方も減少傾向にあります。

しかし、そんな住宅展示場のモデルハウスでも、大いに活用できる部分があります。

それは壁紙や床材の色など、実際のデザインを“空間として”確認できる点です。

住宅建築の際に、壁紙や床材などのカラーリングは色見本から選ぶ事になりますが、住宅が完成してみると「思っていたのと雰囲気が違った・・・」と感じることはよくあります。

実際の住宅の壁や床は、色見本に比べればとても広い面積ですから、光の反射などで人間の視覚では見え方が違ってきます。

広い面積に貼ると明るい色はより明るく鮮やかに、反対に暗い色はより暗く感じられることが多くあります。

ですので、実際にマイホームが完成した時に

「思ったよりも派手だった・・・」

「こんな色は選んでないはずだけど・・・」

と感じやすいのです。

そこで、壁紙や床材の色を選択する際にモデルハウスを見学すれば、各社の設計のプロが考え抜いた内装材の色合いを“空間として”確認できますから、大いに参考になるはずです。

更に、モデルハウスを見学することにより、この色の壁紙とこっちの色の床材を組み合わせると、こういう雰囲気の部屋になる、ということを確認する事もできます。

「でも住宅展示場へ見学に行ったら、営業されるんでしょう？」

という心配もありません。

モデルハウスの入口で

「アンケートは記入したくないのですが、見学させてもらえますか？」

と確認すれば、ほとんどの住宅会社はＯＫしてくれます。

しかも、本気ではないお客さんと認識され、営業マンがしつこくついて回ることも少なくなります。

マイホーム完成後の空間をイメージする場所として、内装材選びの際には多くのモデルハウスを見学してみると良いでしょう。

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