夏になると、過去にヒット曲を連発した歌手たちが出演する音楽特番が放送されます。
イントロが流れた瞬間、忘れていた青春時代の記憶が、まるで昨日の出来事のようによみがえるものです。
友人と貸し借りしながら、繰り返し聴いたCD。
好きな人を思い浮かべながら、何度も聴いたあの曲。
友人達と朝まで歌い続けたカラオケ。
音楽は不思議なもので、たった数秒のイントロを聴いただけなのに、当時の景色や匂い、人との会話まで思い出させてくれます。
一方で、少し切ない気持ちになることもあります。
当時ミリオンセラーを連発していた歌手が、久しぶりにテレビで歌っている姿を見ると、
「懐かしいな~」
と思う反面
「昔と比べて全然、声が出ていないな・・・」
と感じることがあります。
年齢を重ねれば、高音が出づらくなるのかもしれませんが、それでもあまりの変わりように、見ていて痛々しい歌手もいます。
声が思うように出ておらず、音程を外し、でも衣装は若い時のまま、という姿を見ると、時の流れの残酷さを感じてしまいます。
TVを見ながら、
「あの頃のきれいな想い出のまま、心の中に残っていて欲しかった・・・」
という気持ちになることも。
全盛期を過ぎて、ボイストレーニングを続けていたのかどうかは分かりませんが、人は順調な時ほど、「今のままで大丈夫」と思ってしまう生き物です。
そして、この心理は芸能界だけでなく、経営者にもよく見られます。
成功した時ほど、お金の使い方を間違えやすい
私が会社員時代に勤務していた会計事務所でも、業績が好調な時に生活水準を大きく引き上げ、「今の利益がこれからも続く」という前提でお金を使う経営者を数多く見てきました。
そしてその結果、数年後には全く違う経済環境にいる社長も少なくありませんでした。
景気が良く、利益がどんどん増えていた頃は、「会社はこのまま成長し続けるのではないか」と思ってしまうものです。
業績が好調な時には、経営者の周囲に人が集まります。
銀行からは「ぜひお付き合いをお願いします」と融資の提案が届き、取引先からも以前とは違う目で見られるようになります。
すると、少しずつ感覚が変わっていきます。
「これだけ会社が成長したのだから、自分の生活もそれに合わせていいだろう」
そう考えるようになると、高級外車に乗り換え、腕には高級時計が光り、会食のお店もワンランク上へ。
気がつけば、成功者らしい生活が当たり前になっていきます。
そして、その感覚は住宅購入の際にも表れます。
「会社も順調だし、今の自分ならこのくらいの家に住んでもいいだろう」
そう考え、住宅展示場へ足を運びます。
そこで営業担当者から、
「社長ほどのご年収でしたら、このくらいの住宅ローンなら問題ありませんよ」
と言われると、慎重に考えていた気持ちよりも、理想の暮らしへの期待が大きくなります。
そして、少しずつ住宅購入予算が上がっていくのです。
経営者の住宅ローンが危険になる理由
しかし、景気というものは、こちらの都合などお構いなしに変わっていきます。
そして、景気の流れが変わった瞬間、それまで順調だった会社の状況は大きく変わります。
「あれだけ忙しかったのに、急に仕事が減ってしまった」
過去には、そう話す社長もいました。
売上が大きく落ち込み、毎月入ってくるお金よりも、支払わなければならないお金の方が気になる生活になってしまいます。
以前は利益が出て「税金高いな~」と言いながら決算書を見ていた社長が、業績の悪化とともに、資金繰り表を前に黙り込む姿も見てきました。
会社の資金繰りが悪化すれば、当然、社長個人の生活にも影響します。
「会社を維持するためにはお金が必要。でも、住宅ローンの返済も待ってはくれない」
そんな葛藤を抱えながら、苦しい状況と向き合う経営者もいました。
中には事業を続けることができず、家族とともに消えていった社長もいます。
多くの経営者は、人生で一番調子が良い時を基準に、未来を考えてしまいます。
利益が出ているから、来年も大丈夫。
今年これだけ売れたのだから、来年も売れるだろう。
今の収入なら、この金額の住宅ローンも問題ない。
そう思ってしまうのです。
しかし、長く会社を続けている経営者は違います。
利益が出ている時ほど慎重です。
「今はたまたま景気が良いだけかもしれない。」
「来年も同じ利益が出る保証はない。」
利益が出ても生活を大きく変えず、内部留保を厚くし、固定費を増やさない。
住宅購入でも同じです。
会社経営者は特に
「景気が良い時に銀行が貸してくれる金額」
ではなく、
「業績が悪い年でも返済できる金額」
を基準に考えることが重要です。
住宅ローンを返済するのは、未来の社長です
現在、会社の業績が順調だからといって、10年後も同じ状況である保証はありません。
今は社員に囲まれ、取引先から頼られ、忙しく充実した毎日を送っていても、未来には環境が大きく変わっているかもしれません。
住宅展示場に足を踏み入れると、誰でも少し特別な気持ちになります。
広々としたリビングや高機能な住宅設備を見ると、「せっかく建てるなら、良いものを選びたい」という気持ちになってきます。
そして、業績の良い時の年収だからこそ選べる、少し背伸びをした立地や大きな家に魅力を感じてしまいがちです。
しかし、住宅ローンは会社の業績が良い時だけ返済するものではありません。
利益が思うように出ない年も、景気が悪い年も、毎月返済は続きます。
住宅ローンの契約をするのは、業績が良い時の社長ですが、返済をするのは、10年後、20年後、30年後の社長です。
だからこそ住宅購入予算は、景気の波や会社の業績に左右されない慎重さを持って決めていただきたいと思っています。
会社の業績に波があっても、家族の暮らしを守り続けられる住宅購入予算はいくらなのか。
私は会計事務所時代、多くの成功した経営者と、資金繰りに苦しむ経営者の両方を見てきました。
その経験があるからこそ、現在の利益だけではなく、10年後、20年後の会社や家族の未来まで見据えた住宅購入予算をご提案しています。
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幼少の頃2DKの公団住宅に住んでいたため、マイホームへ強い憧れを持っていました。しかし、初めての住宅購入では失敗・・・その経験から住宅購入者が失敗を未然に防ぎ、満足のいく家づくりのお手伝いをしています。
メディア掲載実績
全国のFPが会員登録している日本FP協会様より、実務家FPとして取材を受けました。
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